人工眼内レンズについて

眼内レンズ(Intraocular lens、またはIOLとも表記される)は、水晶体を摘出したときに挿入される人工の水晶体です。

一般に単焦点眼内レンズが使用され、眼内レンズの度数を様々に変化させることにより術後の屈折度数を変化させることができますが、
術後は単焦点となり、ピント調節能力はほとんどなくなります。
例えば、レンズが遠く(数メートル先)に合っているのならば、手元は焦点が合わないので、
眼鏡が必要になる可能性が高くなります。
よって、術前に本人のライフスタイルなどを参考に種々の計算式により度数を決定します。

眼内レンズの形状


眼内レンズの形状は、光学部と光学部を保持する支持部に分けられており、
固定する場所により、前房支持型、後房支持型、虹彩支持型、縫着用の4種類に分けることができます。

多焦点眼内レンズ:

現在、白内障手術で使用されている眼内レンズは単焦点眼内レンズといい、遠くなら遠くだけ、
近くなら近くだけ…という様に、 1つの距離に焦点を合わせたレンズです。
1つの距離にしか焦点が合わないため、手元の新聞も、遠くの看板も両方くっきり見える、という訳ではありません。

現在は眼内レンズの技術の進歩により遠距離、近距離に焦点が合う「多焦点眼内レンズ」が用意されています。

多焦点眼内レンズとは


遠距離と近距離に焦点が合うように設計されており、 従来の単焦点眼内レンズに比べ、
遠くにも、近くにも眼鏡なしで焦点が合いやすくなります。


単焦点眼内レンズを入れた場合は右下の図のように遠くの景色は見えますが、目の前にある携帯電話の画面は読めません。
一方、多焦点眼内レンズを入れた場合は遠くの景色も見え、かつ携帯電話の画面も読めます。
このように、すべての距離が見えるわけではありませんが、遠くと近くが見えることで日常生活は非常に楽になります。


多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズ 見え方の違い


多焦点眼内レンズは、若い頃のような見たい所に焦点を自由に合わせてくれる水晶体とは違うので、
対象物の位置によっては、見えにくくなり、めがね等が必要となることもあります。

下の図のように50cm~3mの間で見えにくくなる場合があります。
細かい文字を読んだり、長時間読書をする時など、めがねをかけた方が楽な場合もあるでしょう。


多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズ 見え方の違い


多焦点眼内レンズでの見え方に脳が慣れるには、年齢や個人間の差はありますが、一般に数ヶ月程度かかるといわれています。
暗い所では単焦点眼内レンズと比べ、くっきり感がやや落ちる可能性もあります。
薄暗い場所や夜にライト等を見ると、 光の輪やまぶしさ(グレア、ハロ、スターバースト現象)を感じることもありますので、
特にレンズを入れた後の数ヶ月は、夜間の車の運転等には注意が必要です。


多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズ 見え方の違い

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